日本語ボランティアに参加して
国際交流協会がボランティアを募集していると聞いて6年ほど前から日本語教室ボランティアをしています。日本語教師の資格は持っていませんが日本語を学びたいと思う外国の方の手助けができるならと自分の能力も考えず始めました。恥ずかしながら外国語は殆ど話せません。最初は社会人の教室だけでしたが今では小・中学生も担当しています。
思い出に残る2人がいます。ひとりは、カンボジアの女の子です。小5で来日し、辛うじてひらがな、カタカナが読める程度でした。週2回、学校に出向き、学習以外にも創意工夫して語彙を増やしました。本人の努力もさることながら学校や家庭の良い環境の中で、中2の今では難しい漢字も読み書きでき、発音も遜色ありません。彼女は将来、カンボジアと日本の架け橋になりたいと言っています。そのような姿をみると「少なからず、役に立っているのか」と思います。もうひとりはピンチヒッターで担当した、会話は不自由ではありませんが読み書きが苦手でとても元気のいい小4の男の子です。学校の準備室の小さな部屋で二人きりの学習です。始めての日に私を試したのでしょう、何を聞いてもまともな返事が返ってきません。このままでは学習どころではないと思い、そこで喝を一発。「いい加減にしろ!おとなを舐めんじゃない!」と男っぽく言ったら、いままでのボランティアの人からは叱られたことがなかったのでしょうびっくりしていました。帰りに「こんな怖いおばさん、イヤでしょう?」と聞いたら「また来て欲しい」と。それから数回、彼が興味を持ちそうな手作りの資料を持参し、多少の横着はあったものの最後の日に「今まで一番楽しかった」と言ってくれたのが忘れられません。
社会人の教室では主婦もいますが多くは3年程度で帰国する技能実習生です。彼らにはややこしい文法は必要ないと思っているのでテキストを少々学習したら雑談します。一番興味を持ってくれるのが、からだの部位の名称やしぐさです。「オナラ」を説明するとみんな大笑いします。このような言葉はテキストにはないし、教えるのは私くらいなのかもしれません。学習の最後に「楽しかった」と言ってくれるのが、何よりの励みです。
常に心掛けていることは日本を好きになってもらいたいということです。教えることばかりでなく教えられることも多々あります。いままで関わった人達は私の財産です。これからもっともっと財産を増やせればと思っています。
九之坪 村下 京子
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