私たちの国際交流(46)を掲載しました。
多文化社会のコミュニケーション
皆さんは、多文化共生って具体的に何をイメージしますか。総務省によると、「国籍や民族などの異なる人々が、互いの文化的ちがいを認め合い、対等な関係を築こうとしながら、地域社会の構成員として共に生きていくこと」と定義されています。つまり日本人であっても外国人であっても異文化を理解しようと努め、一人ひとりの違いを認め合い、互いに協力し合って豊かな地域社会にして生きていこうとする考えです。
私は、コミュニケーション支援の一環として、社会人日本語教室の活動に参加しています。活動をはじめた15年ほど前は、中国人の方が多く、漢字という共通ツールがあり、来日間もない方とも、比較的コミュニケーションを取ることができました。しかし、現在は、受講生の半分以上がベトナム国籍です。愛知県全体では、5万人以上です。皆さんも、15年前と比較して、市内在住の外国人を、身近に感じていると思います。
教室は毎週金曜日の夜、コミュニティセンターで実施しています。学習方法は基本マンツーマンです。皆さん向学心が強く、レベルも高いです。
年に2回、日本語能力検定試験がありますが、N2を取得し、N1合格を目指す方もみえます。また、月に1回、レクリエーションを実施しています。
日本語レベルや母語に関係なく、全員でゲームしたり、ワークショップ形式で日本文化について意見交換します。
病院を受診するときの、オノマトペについて意見交換した際には、頭痛を表す「頭がズキズキ痛い」と「頭がガンガンする」とでは、どちらの方が、どれくらい痛いと感じるか、の問いに対して、日本人同士でも意見が分かれました。
私たち日本人は、日常的に、微妙で多様な表現を活用していることに気づかされました。15年経過した今でも、考えたことがなかった、質問にドギマギしています。
鹿田 清水 敏子