交流のはじまりは、なにから?
私は今年7月、小学二年生の息子と北名古屋市で講演会をした井手初穂氏とでタイの首都バンコクへ向かいました。バンコクと言ってもスラム街のあるクロントイというところです。こちらへ訪ねるきっかけとなったのは、北名古屋市国際交流協会主催の『井手初穂氏講演会』でした。その講演は大都市の中にあるスラム街の幼稚園のお話とインドで差別にあっている女性たちのお話でした。経済が発展する一方、正当な賃金が支払われずに働いている方がいること、経済発展がもたらす格差や貧困問題があることについて強く興味を持ち、井手さんのお手伝いをさせていただくことになりました。さらに、実際に自分の目でみて確かめ感じたいという思いから、井手さんと私の家族の協力を得てスラム街へ行くことができました。 視察に行ったスラムの幼稚園では水道も止まっており、決して衛生的ではない場所でしたが、園児たちを見守る先生や、園児のほかにも学校が終わりフットボールの練習に来る子供たちもいて、皆とても楽しそうにしていました。さらには、言葉も通じない初対面の息子に対し『一緒にフットボールの練習しよう』と手を引き仲間に入れてくれました。ずっと前から一緒にいたかのようにあっという間に溶け込み、言葉が通じない環境でも身振り手振りでコミュニケーションを取りあっている子供たちの世界を見ることができたのも大変貴重な経験となりました。子供たちにとってどこに住んでいるか、どんな言葉を話しているかどんな生活をしているかは二の次で自分で『話したい!』『楽しい!』という気持ちになる交流がとても大切なんだと気付かされました。 この交流の主たる目的は「実状を知ることと私たちに何ができるのか」でした。しかし、ゆっくりした時間の流れの中で文化環境の垣根を越え、大人も子供も優しい心を感じることができたことが思いの他大きな収穫になったのではないかと感じる国際交流となりました。
西之保在住 梅澤ルミ子
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