気楽に付き合おう

世界には数多くの言語がある。国の数の何十倍もの言語があるという。僕の知人に は、英語、中国語、ハングル語など多言語に堪能な友がいる。中国の大学で教鞭を とっていたこともある。現在は、日本の大学で指導にあたっている。世の中には言語感覚に優れた才能を持っている人が実際にある。僕にはそのような人が羨ましい。国 際交流は多言語に堪能な人だけができるのだろうか。
小学校5年生の時、ラジオで遊んでいた。 ダイヤルをゆっくり回すと、外国語の放送が入ってくる。 「こちらはモスクワ放送です。ただ今日本向けに日本語放送を行っています」とアナウンス。これが僕が初めて聞いた外国の放送であった。知らない国の放送。僕にはラジオの素晴らし さが恐ろしく魅力的になり、放送の虜 になった。それから、BBC、VOA、ラジオオーストリア、北京放送など多くの日本語放送を見つけ出した。中学校に入り、英語を学校で学ぶようになった。時報の後、放送局名と送 信周波数のアナウンス(ステアナ)を 何度も聞いて、放送局を探り当てるようになった。受信の状態と放送内容を書いて放送局へ送った。内容が正しいと放送局から美しいBCLカード(受信証明書)が送られてきた。それ が海外と接するきっかけとなった。そ の後、海外の多くの人と交信を楽しみたいという欲望が強くなり、高校時代にアマチュア無線の免許を取得した。海外との交信は実にスリリングで魅力的であった。できもしないジャパ ニーズイングリッシュで楽しんだ。
外国語は苦手である。日本語すら不満足な状態である。不得意なことをしなければならないのが社会というもののようである。そんな僕に国際交流の手伝い役が回ってきた。
外国人の日本語教育の一端を担う授業を小学校へ出向いて、現在指導に当たっている。国籍や言語の異なる人と触れ合うのは決して嫌ではない。そんな人とは付き合い、色々こちらが学 びたいと思っている。相手の言葉が理解できれば、もちろん最高である。それでも、伝えようとする気持ちがあれば必ず通じる。僕はそう信じている。「友達になろうよ」という軽い気持 ちがあれば、外国の人と付き合いはできる。気楽に友達になろうよ。
山田 建二

私たちの国際交流11

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